2016/12/23

失業保険(雇用保険)の期間と期間・「雇用安定事業」と「能力開発事業」の2事業

私達はよく退職したら失業保険があるからという言い方をしますが、「失業保険」と「雇用保険」はどう違うのでしょうか。その制度について再度詳しく知ってみませんか。学んだ上でこの制度の賢い活用法を知ってみませんか。失業保険を上手に活用しましょう。

失業保険(雇用保険)の期間と期間・「雇用安定事業」と「能力開発事業」の2事業

「失業保険」という保険はない

私達はよく『退職したら「失業保険」があるからもらわなければいけない』『退職したり失業しても「失業保険」があるから助かっている』などと言いますが、実際には「失業保険」という保険はありません。

私達が言っている「失業保険」とは「雇用保険」の中で失業した際に給付される制度のことを言っているだけです。つまり「保険」と言う形の「失業保険」はなく、「雇用保険」の中の「失業保険」という給付金のことを実際には指します。

「失業保険」は「雇用保険」の給付制度のこと

詳しく言えば、「失業保険」は「雇用保険」の一部で、失業した時にもらえる「基本手当」と言う項目にあたります。行政やハローワークでは「失業給付」と呼んでいるのが正式名称です。

つまり失業した際の「基本手当」であり、「失業給付」が正式な言い方と言えます。退職して再就職をするまでの期間に「失業給付」を受給するために「雇用保険」に加入しています。

「失業保険」の給付の条件・期間

それでは毎月雇用保険を掛けて実際にどの位もらえるのかというと、「失業保険」の給付期間は退職理由によっても異なってきます。

自分で退職した自己都合の退職の場合は「一般受給資格者」と呼ばれ、「雇用保険」に加入していた期間が通算12ヶ月以上~10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日間の受給期間となります。

また、倒産や解雇によって強制的に退職となった会社都合の退職の場合は「特定受給資格者」と呼ばれ、「雇用保険」加入期間が6か月以上でも受けられるのが特徴です。

そうした退職の際の「失業保険」の考え方としては、「退職したらもらえるもの」というものではなくて、「再就職活動中の生活支援としてもらえるもの」と捉えておくことも実は大事なことです。

ハローワークで求職登録を済ませて、再就職の希望を出すことで、実際に「失業保険」を受給することができるようになります。仕事を探していて次の仕事が見つかるまでの生活支援の保障としての「雇用保険」による給付金制度と言えます。

失業保険と呼ぶ理由は以前の「失業保険法」から

ではなぜ「失業保険」と言う言葉が一般的となったのかは不思議ですよね。それには歴史を辿る必要があります。

「失業保険」という言葉について歴史を遡ると、時代は古く第二次世界大戦後の昭和22年に作られた「失業保険法」がその始まりです。終戦後の大量の失業者の発生によって作られた法律が「失業保険法」です。昭和49年に今の「雇用保険法」が成立するより以前は長い間「失業保険法」だったという歴史があります。

そのことから「失業保険」という言葉が広く知られるようになっているのです。

「失業保険法」から改正後に「雇用保険法」へ

「失業保険法」から「雇用保険法」へ変わるわけですが、そのきっかけは当時の第1次オイルショックです。この頃にまた大量に失業者が出たことを契機に制度が見直され、「雇用保険法」が制定されています。

なぜ「失業保険法」から「雇用保険法」に変わったのかと言いますと、失業者の所得保障だけでなく、その他の雇用の確保や求職活動を支援したり、失業を予防すること、労働者の能力開発や向上を図ることなども含むようになったことによります。

つまり、失業した後の給付金だけでなく、その予防にも対策が取られるように改正されたのが「雇用保険法」です。「失業」だけでなく「雇用」の面の安定から考えて行こうというものですね。

失業保険以外にもある「雇用保険」事業の仕組み

こうやって「失業保険法」から改正されてきた「雇用保険法」ですが、現行の「雇用保険」は実際にどんなものになっているのかと言いますと、労働者と労働者をかかえる雇用主に対しての双方に適用される保険となっています。

見方を変えれば労働者が失業した時に守る保険という一方で、雇用者側にも雇用の安定のための退職の予防や能力開発の対策が取れるように両面から考えられています。

毎月の「雇用保険」の保険料は労働者と雇用主の会社が両方で払っていて、その両者の立場への保障が考えられたものに変わってきています。

失業者に対しての給付制度としての「失業保険」とその他の制度

失業した時に申請することで給付される「失業保険」は「雇用保険」の中の一つの制度と言うことが言えるわけですが、この「失業保険」が多くの人に浸透し、受給者も拡大していることから失業保険=雇用保険のような考え方に多くの人がなっていることも事実です。

しかし、「雇用保険」には、この制度だけでなく別の2つの制度もあるということです。

「雇用保険」の「失業保険」以外の2つの制度

雇用事業は「雇用安定事業」と「能力開発事業」の2事業

失業を予防するための「雇用安定事業」と「能力開発事業」の2つの制度が雇用事業には実はあります。

2つのそれぞれの事業については要約すると、
・「雇用安定事業」は、労働者を守る側面と雇用主から見れば雇用の安定を図る事業です。
・「能力開発事業」は、雇用する際の労働力の能力開発を行うものです。

以前まではこれに「雇用福祉事業」も含まれた「雇用3事業」でしたが、最近では「雇用2事業」が主な内容になっています。

「雇用安定事業」と「能力開発事業」と言ってもそれでは実際にどんなことが行われているのかをご紹介します。

雇用安定事業

「雇用安定事業」は、失業の予防をしたり、雇用状態の是正や機会を増やしたり、雇用の安定化を図るための事業です。雇用調整助成金や労働移動支援助成金などもあり、雇用主、事業主に対する様々な助成金が作られている制度です。

失業予防のために景気の変動や様々な構造の変化によって事業縮小を余儀なくされた雇用主に、雇用調整金を設け、労働者の雇用維持を図る対策も取られています。

能力開発事業

「能力開発事業」は、労働者の能力の開発や向上のための事業で中小事業主等が行う職業訓練への助成金や職業訓練を助成する都道府県への補助金などの活動も行われています。

また最近では、雇用構造の変化で非正規労働者増えてきたために、平成20年秋以降、特に非正規労働者の雇用維持を支援する各種助成金の改善・拡充にも取り組んでいます。

「雇用保険法」の内容は失業者のためだけでない!

こうして考えますと、「雇用保険」という考え方は、失業した時だけでなく、労働者の生活と雇用主の雇用の安定の両方を図っている制度でもあります。

様々な助成金などもあって労働者の雇用の維持のために使われています。労働者と雇用主の両方を守ってくれています。

雇用保険は様々な対象の雇用の安定のためにある

また最近では「雇用保険」は、少子高齢化や雇用構造の変化によって様々な雇用対象者に対する雇用の安定化を図るようになっています。

雇用保険の給付の多様化や適用範囲の見直しも広がっていると言えます。

雇用継続給付の新設や教育訓練給付の新設や非正規労働者に対する様々な制度改正なども行われてきていますのでその例もご紹介します。

失業以外での雇用の安定化を考えた例

・1歳未満の子を育てるための休業することを育児休業取得の際の育児休業給付金の50%を給付する制度
・60才を超えて働き続けたい場合で65歳未満の人に 雇用保険を支給
・非正規労働者に対する対策としてのセーフティネット機能

失業保険の意味と上手な活用法

こうして「雇用保険」について調べてみますと、失業した時の給付金としての「失業保険」としての意味合い以外にも雇用の安定化や労働者の能力開発と言った事業を行っているということがよくわかります。

「失業保険」は失業した際に守ってくれる手当ですが、それ以外にも私達は雇用の安定化のために「雇用保険」によって様々に守られていることを知ることができるのではないでしょうか。

そして「失業保険」について言えば、積極的な再就職活動をすることで例えしばらく就職先が見つからなかったとしても生活をある程度は支えてくれます。そこで、できれば受給期間も考えて3か月程度で再就職先を見つけることができれば再就職も上手くいったと言えるのではないでしょうか。

「失業保険」を活用することで再就職までの少しの期間の保障があり安心できますので頑張って再就職も目指すことができる保障制度です。

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