2017/05/23

薬剤師に多い転職理由とは?|面接や履歴書で書くべき転職理由

薬剤師の転職は実は珍しくない? 実際に転職を考えたものの、どうしたらいいかわからない薬剤師の方、必見です。志望動機の上手な書き方、面接で言ってはいけない転職理由、一番多い転職理由、役立つ薬剤師の転職情報サイトの紹介など、薬剤師の転職を応援する記事です。

薬剤師に多い転職理由とは?|面接や履歴書で書くべき転職理由

実はよくある薬剤師の転職

薬剤師は本当に大変な仕事

まず薬剤師になるまでが長い道のりです。薬剤師は、国家資格を取得している人のみが就業でき、国家資格を取るためには薬学が学べる専門課程の大学を卒業することが必須条件です。

薬学系の学科を設置している大学は全国に74校ありますが、どの大学においても、国家試験を受けるためには6年制のカリキュラムを修了することが条件です。かつて薬学部は4年制でしたが、平成18年4月の入学者からは6年制の課程を終えなければ国家試験を受験できなくなりました。

仕事自体は医薬品のスペシャリストとして、ほとんどの人は薬局や病院で働くことが多いです。また、研究機関や医薬情報担当者(MR)として働く人もいます。身近にあるドラッグストアで働いてる人もいます。

しかし「薬の調剤」はミスの許されない繊細な作業であり、とてもストレスがかかります。また、薬局に訪れる患者さんに対し、「一度で正しく、わかりやすく」説明すること、そしてその責任を求められます。さらに狭い労働環境に加えて職場の人間関係もあるので、心身共に窮屈な思いをしながら働くことを強いられます。

薬剤師の7割は転職経験がある?

薬剤師業界は空前の売り手市場、2016年時点の有効求人倍率は6.67倍と高く、2017年現在も薬剤師の転職市場は活気づいています。これには理由があり、2006年に薬学部が4年制から6年制に移行し、その後の2010~2012年の間は求人市場に新卒の薬剤師がいない期間となったため、これをきっかけにいまだ薬剤師の売り手市場が続いているという状態です。

アンケートによっては薬剤師の約70%が転職経験があり、3回以上転職した人も23%もいるという結果が出ています。薬剤師にとって転職はそう珍しいことではないということが分かります。

薬剤師の転職理由には、裏と表がある?

上述したとおり、薬剤師は大変な仕事です。大変な仕事である上に、物理的にも心理的にも労働環境が窮屈であり、人間関係のトラブルが起きやすい職場であると言えます。薬剤師の転職理由には表と裏があります。

オモテの転職理由

オモテの転職理由というのは「人に堂々と言えるような転職理由」ということです。具体的な例を挙げてみましょう。
「高齢化する現代社会で、在宅医療に取り組んでいる薬局で働きたい」
「東洋医学における未病という概念を知り、予防医学の重要性に気付いたため漢方を学びたい」
これらの転職理由の共通点は「スキルアップしたい」ということです。とても前向きである上に、自らの向上心のアピールもでき、聞いていて大変まっとうな転職理由に思えます。

ウラの転職理由

ですがこの「スキルアップしたいから別の職場で働きたい」というのは、よく考えると「今の職場ではできない」ということを示唆しています。「今の職場ではできない」ということには「設備が整っていないから」という理由もあるでしょう。

しかし、「労働環境が悪くてできない」、「人間関係が悪くて一緒に仕事したくない」という理由もあるかもしれません。この「スキルアップしたい」という転職理由の裏には、「本当は今の職場の人間関係が嫌で辞めました」という事情があるかもしれないのです。

薬剤師の転職理由は職場によって違う?

薬剤師に多い転職理由

薬剤師の転職理由で重要なのは「どんな職場で働いているか」で左右されることが多いです。もちろん共通して最も多いのは、「人間関係」です。

しかし、薬局やドラッグストア、病院など薬剤師が活躍する場所は様々であり、働いている場所によってそれぞれ転職理由は変わってきます。それでは働く場所ごとに、それぞれ転職理由を見ていきましょう。

薬局で働く薬剤師の転職理由

薬剤師の男女比は3:7とも言われているように、基本的には女性の多い職場です。特に薬局では、ハードワークを強いられる上に閉鎖空間で、狭い人間関係の中で仕事をしなければならないことが多く、職場の雰囲気がギスギスしている・生き生きしていないことがあるようです。

また、管理薬剤師をしている方にとってはエリアマネージャーとの相性が悪いことがストレスになることもあるそうです。さらに、管理薬剤師にサービス残業を強いられるという薬局もあるそうです。

他にも、単剤の調剤だけではなく複数の調剤をしたい、患者さんへの服薬指導をもっとしっかり行いたい、一日中立ち仕事であることがつらい、昇給しない、事務員との相性が悪い、調剤機器が古くて調剤に時間が取られる。などさまざまな転職理由があります。このような転職理由は完全に裏側ですので、履歴書や面接などで人目に触れることは避けた方がいいでしょう。

病院で働く薬剤師の転職理由

病院で働くことのメリットは、医師や看護師などの他業種の医療従事者とチーム医療を提供するので実際に患者さんと向き合えることが魅力です。しかし給料が安いなど、デメリットがあることも事実です。実際に病院で働く薬剤足が転職する理由は以下のようなものがあります。

まず、給料が少ない・仕事がきつい・定年まで働ける自信がないというものが多いです。給料が少ないことは事前からわかっていたことではありますが、それが仕事のハードさに釣り合わないということなのです。残業が多い・当直がつらいという声もあります。

また、やはり職場の人間関係に悩んでいるというのも少なくありません。病院でも調剤室にこもって仕事を行うことが多いので、どうしても息苦しくなってしまうのが現状です。さらに、女性が多い職場ですので、男性だと女性薬剤師の産休育休のために休めないということもあるそうです。

中には、同じ病院に勤めていたドクターと結婚することになったという人もおり、それが転職理由になることもあるそうです。

ドラッグストアで働く薬剤師の転職理由

ドラッグストアは、入社時の給与水準が比較的高いことや、OTC(over the counter)販売の知識も身の付けることが出来るという点などが魅力で就職する人が多いそうです。実際にドラッグストアを辞めて転職した理由には、以下のようなものがあります。

まず、やはりOTC販売に関する自分の考えと現実のギャップが原因となることが多いそうです。例えば調剤併設型のドラッグストアだと、OTCだけではなく調剤も学べると思っていたが、実際にはほとんど処方することはなく全然スキルが積めなかったというエピソードや、調剤とOTCの両方を交互に一人でやるのがつらいという悩みもあるそうです。人によっては、OTC販売ばかりしていて、セールススキルは身についたが薬剤師としての仕事ができないことを苦痛に思う人もいるそうです。

また、ドラッグストアという職場上、在庫管理や受発注、販売など薬と関係ない業務量が多いこともあるそうです。加えて、ドラッグストアにはさまざまな客が来るため、顧客からのクレーム対応に嫌気がさしたという人もいます。

製薬会社で働く薬剤師の転職理由

製薬会社で働く薬剤師は、大まかに研究職とMRに分けられます。研究職の転職理由は、「仕事が実験ばかりで、やりがいを感じられない」「薬剤師として医療の現場で働きたい」というものが多いそうです。

薬剤師の多くが憧れる製薬会社での研究職の実際は、毎日毎日同じような実験を繰り返し、その内容に興味が持てない人も少なからずいるようです。また、実際に医療の場に立って仕事をしたいと思う人もいます。

MRは職種としては給与面・待遇面では大変恵まれており、その部分で不満を抱くことはほとんどないようです。しかし、「自社製品の限界を感じた」「新薬が出てこないので仕事にやりがいがない」「接待がつらい」「セクハラがあった」というようなMR独特の悩みがあります。

MRという仕事上、どうしても向き合ってなくてはいけない自社製品の欠点や接待する上での尽きない苦悩により、MRとして働くモチベーションは下がらざるを得ないでしょう。そしてこれらがMRの転職理由となるのです。

女性ならではの転職理由

「夫の転勤に伴って」「結婚・出産・育児があって」「親の介護の都合で」といった、女性ならではの転職理由もあります。こういった仕方のない転職理由は多く、転職する上で面接官も「これは仕方ないね、妥当な転職理由だね」と考えるようです。

その他、個人的な転職理由

「転職することがその人の本当の幸せに繋がるなら、転職理由はなんだっていい」と言うキャリアコンサルタントもいます。人の幸せはそれぞれで、その幸せを得るため、守るために転職する人たちだって少なくありません。

「ダブルワークをしたい」など、他人にとっては些細な理由かもしれませんが、本人たちにとっては深刻な問題であり、こういったことで転職をする人たちも実際に存在するのです。

転職理由は履歴書に書くのか?

それでも書かなきゃいけない志望動機

薬剤師が転職を考える背景には、自分のやりたい仕事と実際の仕事のギャップだけではなく、人間関係や労働条件なども大きく関係しています。履歴書には「志望動機」はあっても「転職理由」を書く欄はありません。しかし「志望動機」を書こうとすると、どうしても転職理由も関係してくる。どう書けばいいのでしょうか。

志望動機には転職理由を書かない

志望動機は志望動機、転職理由は転職理由であり、両者は似て非なるものです。したがって、志望動機の欄には転職理由を書かないことをおすすめします。自分の本当の転職理由がネガティブだと自覚しているのなら、絶対に書いてはいけません。面接官は自分の履歴書を読んだ上で面接するのですから、最初から落とし穴を作っておく必要はないです。

志望動機を書く際のポイント

志望動機は履歴書の中で最も重視される項目です。「なぜこの病院・薬局・企業で働きたいと思ったのか」や「自分の得意分野や志望先でやりたい事はなにか」など明確に伝わるようしっかりと書くようにしましょう。

自分の都合しか書いていない、自分の成長だけが目的になっている、具体性がない、という志望動機はなるべく避けましょう。自分の言葉で、この企業を選んだ理由、就職後の働き方や将来のキャリアプランなど、具体性を持って書くことが重要です。

面接重視な薬剤師採用

意外と面接で落とされる?

面接で落とされる薬剤師は少なくありません。薬剤師といってもさまざまな人がいますし、「この人はちょっと…」というような人が落とさるのはわかります。

しかし、以前であれば何の問題もなく採用されていたような薬剤師の方であっても、面接で落とされることが近年増えてきています。実際、診療報酬や調剤報酬の改定などによって病院や薬局の経営環境が悪化しており、今後の経営の見通しが厳しくなってきています。これらのしわ寄せとして、多大なコストがかかる薬剤師の採用に慎重になる病院や企業が多くなっているのです。

また、思うように転職できない薬剤師が転職市場に溢れ、条件の良い求人案件に多くの薬剤師が集中していることも、就職や転職の難しさに拍車を掛けていると考えられます。

自分の本当の転職理由を言うべきか?

転職理由には表と裏があることは先述しました。たとえば、「前の職場の人間関係が嫌でやめた」というのが本当の理由だとして、面接官はこれを聞いてどう思うでしょうか。普通の感覚ならば、あまりいい印象は受けないでしょう。

しかし、面接で嘘をつくとバレることが多く、正直に話そうとする姿勢が好印象を与えるというのも事実です。すべて嘘で固める必要はないかもしれませんが、本当の転職理由を踏まえた上できちんと前向きな転職理由を考えるなり、言い方を工夫するなり、何かしらの事前の準備は必要です。

実際になんて言うといいか?

転職理由はきちんと説明できるように、あらかじめ準備しておく必要があります。転職理由を説明できることは、志望動機を伝えることと同じくらい重要なポイントです。実際に転職理由を練る上で、プラスポイントとマイナスポイントを考えてみましょう。

転職理由のマイナスポイント

まず第一に、前の職場の悪口は絶対に言ってはいけません。面接官の印象が悪くなるだけではなく、このようなことを言ってしまう人は大人の対応ができない人とみられてしまいます。この人は周囲の人とトラブルを起こしやすいのではないか、この人を採用したら仕事で問題を起こすのではないかというように捉えられてしまいます。

もし仮に前の職場での問題点を述べなければならない理由があるのならば、話す際にはまず前向きな理由から始め、一番最後に付け足す程度に留めましょう。そして最後に貴院(御社)にどうしても転職したいという熱意を伝えましょう。

第二に挙げるのが、「勉強したい」というワードを挙げるのはやめましょう。一見「勉強熱心だな」と思うかもしれませんが、実は面接官からすれば微妙な転職理由なのです。「前の職場では単科目の処方箋しか扱わなかったので、もっと多くの処方箋が来るところで勉強したい」と言われても「処方箋が来なければ勉強しないの?」というように捉えられてしまいます。

最後に、嘘をつかないことです。面接をしている人にとって、応募者が嘘をつく際の不自然な様子が気になります。極力嘘はつかないように、可能な限りポジティブな言葉で言い換える工夫や、志望動機に取り込むようにしましょう。

転職理由のプラスポイント

多くの人が「スキルアップ」を前向きな転職理由として使っているケースが多いです。実際のところ、転職理由でプラスポイントとして働くのは「スキルアップ」や「向上心」といったことがほとんどなので、面接においてどのような前向きな転職理由を述べるかしっかり考えるだけで十分なのです。

しかし、建前の転職理由を練り上げるとなると、ところどころボロが出る可能性があります。したがって、きちんと話の筋を組み立てて、矛盾のないようにしておくことが重要です。マイナスポイントのない転職理由を述べられるだけで十分なので、事前に準備しておくようにしましょう。

きちんとした転職理由を書けない場合

転職理由がしっかり組み立てられない、まともな転職理由が思い浮かばない。そんな方々におすすめの方法は、思い切って薬剤師の転職求人サイトに頼ってみることです。転職求人サイトのスタッフはプロの方ばかりですので、きちんと転職理由を完成させることができるでしょう。

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薬剤師の転職情報サイト6選

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転職の準備はしっかりと

薬剤師の転職はそう簡単ではありません。しかし、少なくとも転職を成功させるのに「きちんとした転職理由を伝えられること」、そして「志望動機をしっかり言えること」は大変重要です。

また、転職すると決めたら自分を一度省みることも大事なことです。「どうしてもここで働きたい!」という気持ちを伝えられるように、しっかりと事前に準備をしておくようにしましょう。

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