退職日の決め方とは?社会保険や転職先への入社のタイミングなど考慮ポイントを解説

「円満退職するための退職日の決め方は?」
「退職する日によって損をすることってあるの?」
「退職を表明してから、実際に退職するまでの最短期間は?」

会社を退職しようと決意した場合、このように退職日をいつにするかという問題が出てくるでしょう。

本記事では、退職日を決める前に知っておくといいことや、決めるときのポイントなどの基礎知識に加え、円満に退職日を迎えるためのコツや御礼の品を渡すときのポイントなどを紹介しています。

この記事を読むことで、退職日を決めるために必要な基礎知識や円満に退職日を迎えるために必要なことを把握できます。その知識をもとに、なるべく損をしない日に退職日を設定できるでしょう。

現在、退職しようと思っている人はぜひ参考にしてください。

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目次

円満退職のためには退職日の決め方が重要

退職日の決め方次第で、所属している部署の上司や同僚、取引先の相手に大きな影響を与えてしまうこともあります。

円満に退職するためには、辞める決意が固まったらなるべく早いタイミングで上司に伝え、仕事のキリがいいタイミングで退職日を設定するようにしましょう。

退職日の流れ4ステップ

周りにできるだけ迷惑をかけずに円満に退職するためには、退職日を決定するための流れを押さえておく必要があるでしょう。

ここでは、退職日を決定する4つのステップを紹介していきます。

1:繁忙期や社内規定を確認する

退職時期は基本的に退職者が自由に決められますが、退職日は会社に迷惑とならないような決め方が重要です。

周りの迷惑になる忙しい時期は避けたいため、会社の繁忙期や社内規定を確認しましょう。

また、会社には社内のルールが定められた社内規定というものがあります。「退職する場合は〇ヶ月前までに申し出る」など社内規定にルールが書かれている場合があるため、確認しておきましょう。

ただし、社内規定は必ず守らなければならないものではありません。

後述する民法627条の方が優先されるため、社内規定は原則無効と考えることもできます。

出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百二十七条| e-Gov法令検索
参照:明治二十九年法律第八十九号民法

2:引き継ぎにかかる期間を考える

引き継ぎをせずに退職すると、後任や職場の人に迷惑をかける可能性があるでしょう。

円満に退職するためには、自分か抱えている業務の引き継ぎは欠かせません。

退職日の1週間前までには後任への引き継ぎ業務が完了すれば、スムーズに退職できると言われています。

現在の仕事量と、後任への引き継ぎにかかる時間を考慮した退職日の決め方をしましょう。

3:上司と相談する

退職の意思を最初に伝える相手は直属の上司です。

他の人から退職の話が伝わらないように、意思を固めたら早めに直属の上司に伝えましょう。

このとき、突然「○月〇日で退職します」と伝えるのはマナー違反です。相談したいことがあると伝えアポを取り、「○月末ごろに退職したいと思っているのですが」と伝えるようにしましょう。

退職の意思を伝え承諾を得られてから、具体的な退職日を上司と相談してください。

4:退職届を提出する

上司に退職することを伝え退職日が決定したら、退職届を提出しましょう。

退職届は退職の意思を示すための書類で、1度提出し受理されると撤回できないため、よく考えて提出してください。

また、会社によっては退職届のフォーマットや提出先が決まっている場合があります。

社内規定に、退職届に関するルールが記載されていないか確認してから作成しましょう。

退職日を決める前に知っておくといいこと3つ

退職にはさまざまなルールやマナーがあります。

基本的にルールやマナーを守って退職手続きを行えば問題が起こることはないため、それらを知っておくといいでしょう。

ここでは、退職日を決める前に知っておくといいことを3つ紹介しています。

1:退職願はよく話し合った上で提出する

退職願は、退職を申入れるための書類です。人事が退職の承認をする前であれば撤回できますが、上司に提出して人事に承認されてしまうと撤回することが難しくなります。

承認されると退職が確定しまうため、退職しようか迷っている段階であれば、上司とよく話し合った上で提出する方がいいでしょう。

また、退職願は特別な社内規定や事情がない限り、上司に直接手渡しすることがマナーです。

いきなり郵送するのはあまりおすすめできません。

2:正社員はいつでも退職の申し出をすることができる

民法627条第1項には、「雇用の期間を定めなかったときは、いつでも解約の申入れができる。この場合、解約の申入れの日から2週間を経過すると雇用契約が終了する。」という規定があります。

つまり、雇用期間の定めがない正社員は、いつでも退職を申し出ることができるということです。

もし、退職を承認されなかった場合でも、意思を伝えてから2週間経過すれば会社を辞めることができるため覚えておきましょう。

出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百二十七条| e-Gov法令検索
参照:明治二十九年法律第八十九号民法

3:きちんと手順を踏んでいれば損害賠償の支払いは発生しない

退職されると困るため、会社側から「辞めるなら損害賠償を請求する」と言われてしまうことがあります。期間の定めがない雇用契約の場合には、2週間前に解約予告するなどきちんと手順を踏んで退職をすれば損賠賠償の支払いは発生しません。

ただ、故意に引き継ぎをしなかった場合やすぐに無断欠勤した場合などには、債務不履行(民法第415条第1項)を理由に損害賠償が発生する可能性があります。

そのため、きちんと手順を踏んで退職しましょう。

出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百十五条 | e-Gov法令検索
参照:明治二十九年法律第八十九号民法

退職日を決めるときのポイント4つ

ここでは、退職日を決めるときのポイントを4つ紹介していきます。

繁忙期や社内規定、引き継ぎにかかる期間以外にも退職日を決めるためのポイントがあります。

何も知らないと自分が損をしてしまうこともあるため、以下で紹介する4つのポイントを注意しながら退職日の決定をしてください。

  • 社会保険料を負担する方法も考慮に入れる
  • 転職先への入社日までの予定を考える
  • 法律上の退職までの期間について知っておく
  • ボーナスの支払い日も考慮に入れる

1:社会保険料を負担する方法も考慮に入れる

退職日を決める場合、社会保険料の負担にも注目しなければなりません。

月末に退職した場合、社会保険の喪失日が翌月の1日になります。前月分と当月分の2ヶ月分の保険料を負担しなければなりません。一方、月末以外の日に退職した場合、当月分の保険料は納める必要がなく、支払うのは前月分の保険料のみで済みます。

このように、月末に退職した場合と月末以外の日に退職した場合とでは、社会保険料の取り扱いに違いが出ます。

社会保険料を負担する方法も考慮に入れた決め方をしましょう。

2:転職先への入社日までの予定を考える

転職活動を進めている場合やすでに転職先が決まっている場合には、入社日までに引き継ぎなど退職業務を完了しなければなりません。

一般的に、転職先に入社する時期は内定から約1~2ヶ月後と言われています。

どんなに長くても約3ヶ月以内と言われており、この期間で退職日を設定しなくてはいけません。

退職スケジュールが決定したらそれを転職先に伝え、入社日を考慮してもらえるようにしましょう。

3:法律上の退職までの期間について知っておく

退職する場合は、法律上の退職までの期間についても知っておいた方がいいです。

民法627条第1項には、「期間の定めのない雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」という定めがあります。

つまり、退職の2週間前までに通知すれば辞めることができるということです。

会社の同意を得る必要もありません。

ただ、年俸制の人や完全月給制の人、雇用期間に定めがある人はこの規定が当てはまらないため注意しましょう。

出典:民法(明治二十九年法律第八十九号) 第六百二十七条| e-Gov法令検索
参照:明治二十九年法律第八十九号民法

4:ボーナスの支払い日も考慮に入れる

転職先が決まっていない段階で退職届を提出する人は、ボーナスの支払い日も考慮に入れて退職日を決めた方がいいでしょう。

法律にボーナスの支払いに関する規定はなく、就業規則や労働契約で規定されており会社によって異なります。

ボーナス支払い日前に退職を申し出ると、もらえない場合や減額される場合があるため、就業規則や労働契約でボーナスがどのような条件で支払いされるか確認しておきましょう。

円満に退職日を迎えるためのコツ5つ

上司に退職することを伝え引き継ぎも無事に終了すると、ホッとして気が緩んでしまう人も多いでしょう。

しかし、退職する当日までやらなければならないことはあります。

円満に退職日を迎えるためには、以下の5つのことに注意してください。

  • お世話になった人にきちんと挨拶する
  • 会社に返却すべきものは忘れずに返す
  • 気持ちを切り替えておく
  • 転職先の自慢はせず感謝の気持ちを伝えるようにする
  • 自力で辞めづらければ退職代行の利用も視野に入れる

1:お世話になった人にきちんと挨拶する

円満に退職するためには、お世話になった人への挨拶は欠かせません。

関係が深かった人や顔を合わせる機会が多かった人には直接会って、会うことができない人にはメールもしくは手紙で挨拶してください。

挨拶では退職日の報告を忘れない、明確な退職理由は言わない、ネガティブな発言をしないということに注意しましょう。

2:会社に返却すべきものは忘れずに返す

退職日には会社から貸与されたものを返却する必要があったり、必要書類を受け取ったりしなければなりません。

返却するものとしては、社員証や社章、健康保険被保険者証、名刺、制服、会社の経費で購入した事務用品、データ、資料などがあります。

会社から受け取るものとしては、雇用保険被保険者証、源泉徴収票、年金手帳があり、離職票と厚生年金基金加入員証は必要に応じて受け取りましょう。

3:気持ちを切り替えておく

転職先が決まっている場合には、気持ちの切り替えをしておく必要があります。

人間関係や待遇など不満があり退職したとしても、それらは忘れて新しい場所で頑張るという気持ちが重要です。

退職を決めたら不満を口にすることはやめましょう。

4:転職先の自慢はせず感謝の気持ちを伝えるようにする

円満に退職日を迎えるためには、転職先の自慢はせず感謝の気持ちを伝えるようにすることも大切です。

転職する人に対して好意的に感じる人は少なく、自慢話をしてしまうと関係を余計に悪化させてしまう可能性もあります。

退職日には感謝の気持ちを示しつつ、粛々と残りの業務を進めるようにしましょう。

5:自力で辞めづらければ退職代行の利用も視野に入れる

円満退職が理想ですが、退職の意思を伝えても承認してもらえない場合や、辞めたいのに伝えにくい状況に置かれている場合もあるでしょう。

自力で辞めづらければ、退職代行の利用も視野に入れてください。

退職日に御礼の品を渡すときのポイント

円満に退職するためには、退職日にお世話になった方に御礼の品を添えて挨拶するようにしましょう。

ここでは、御礼の品を渡すときのポイントを紹介していきます。

  • お菓子を選ぶときには日持ちするものを選ぶ
  • 実用品を選ぶときはコンパクトなものを選ぶ

お菓子を選ぶときには日持ちするものを選ぶ

お菓子は御礼の品の定番です。

お菓子を御礼の品として選ぶ場合、挨拶回りのときに一人一人手渡しで配るか、休憩スペースに手紙を添えて置いておきましょう。

お菓子を選ぶ際は、個包装されている日持ちするものがおすすめです。

生ものや匂いの強いもの、食べるのに手間がかかるもの(切り分ける必要があるものや手が汚れるもの)などは避けましょう。

実用品を選ぶときはコンパクトなものを選ぶ

お菓子以外に御礼の気持ちを伝える品としては、実用品もあります。

実用品を選ぶ場合は、持ち帰りやすいコンパクトなもので、相手に気を遣わせない金額のものがおすすめです。

オフィスで使える文房具や日常使いできる雑貨など、贈る相手に合わせて選びましょう。

退職日の決め方ポイントを把握して後腐れなく旅立とう

退職日は可能であれば、社会保険料の負担方法やボーナスの支払い日を考慮した決め方をするのがおすすめですが、会社に迷惑をかけないことが1番です。

本記事を参考に、就業規則や繁忙期、引き継ぎの期間を考慮して、できるだけ会社に迷惑をかけずに円満退職できるようにしましょう。

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この記事を書いた人

転職を通じて「ゆとりある働き方」をすべての方ができるように、私たちはそのお手伝いができれば幸いと思っています。間違いのない転職をする上で、知っておかないと損をする知識・情報をお伝えます。

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